「狼みたいな目だった」

「ああ」

「晴斗が今まで、狼にならねぇで、暴れねぇで、警察に行かねぇで済んだのは、美緒ちゃんのおかげなんだと思う」

「晴斗は、狼……でも、本当は戻りたいはずなんだ。1つだけ、分かったことがある。それは、晴斗を狼にさせてんのは……桜井だ」

「「「「「えっ!?」」」」」

「美緒ちゃんを護りたい、その意識から狼になってんだ」

「晴斗はさ、感情がすごいんだ……怒りやすいし、泣きやすいし、泣きやすい……だからその分、自分が大切にしてる人が危ないめに遭ったりすると、狼になってしまう」

「1度狼になってしまうと、暴れまくる。美緒ちゃんが、宥めるしかないんだ。でももう、次狼になって暴れてしまうと、俺達は愚か、美緒ちゃんでも、宥めることは出来ないと思う」

「1度暴れてしまった晴斗、狼は暴れっぱなし。大切な人が危なければ、もうどうにも……」

「暴れまくった狼は、暴れ疲れ、そのまま、死ぬ」

「晴斗はそうゆう奴なんだ」

ーーカタッ

「「「「「……!」」」」」

「晴斗!!」

晴斗は歩いてきたが、次の瞬間ーー

ーードサッ

「……!晴斗!!おい晴斗!!」

晴斗が、倒れた。

《幸STORY END》