砂糖より甘くコーヒーより苦く

《晴斗STORY》

俺は忘れ物に気づき、階段を上り、教室に向かっていた。

「……あれ……美緒?」

俺は嫌な予感がした。

チッ……見失った!!

「ハアッ……ハアッ……クソッ!」

「あれ?晴斗?」

「……!幸!!美緒見なかったか!?」

「あっ、ああ、見たけど……」

ーーグイッ

俺は思わず幸の胸ぐらを掴んでしまった。

「どこに行った!?」

「はっ、晴斗、怖いって……」

「いーから!!教えろ!!」

「え、えと、階段の踊り場だけ……」

ーーダッ

美緒!頼む!無事でいてくれ!