眠り姫の周りは、薔薇と光で包まれているように見えた。

魔女の魔法で眠りについたお姫様。

王子様はそのままお姫様にキスをしてーー

ってなに考えているんだ俺はっ。

ハア……お前のせいだかんなっ。

俺は寝ている姫に心の中で言った。

姫は、細い腕を布団から出している。

白い肌に細い胴体。腕と足も細く、抱きし
めると、折れてしまいそう。

茶色がかった髪はとても長く、パーマがかっている。

二重でまつ毛が長く、スッと通った鼻筋に、薄めの唇。少し頬がピンク色になっている。

俺が起こすと、可愛い声を上げた。

少しずつ、目を開けた。

眠気眼だが、明るめの茶色の瞳は、しっかりと俺を捉えていた。