あたし達は、校庭を歩いていた。

するとーー

「晴斗ー!美緒ちゃーんー!おはよー!」

新井くんだ。

「はよ、幸」

「はよ。なあなあ美緒ちゃん、こいつのどこがいいわけ?」

あたしはポケットから手帳を出して、書いたものを見せた。

[晴斗は優しいし、カッコいいし!全部だよ!]

「……っ!」

「おーおー、愛されてますなぁ」

「うっせーよ」

「お前さ、モテんだろ?」

「だから?」

「告られてんだろ?」

「で?」

「お前に告った女子、全員陰で泣いてんぞ」

「だから?俺は美緒だけだし」

「どーゆーフり方してんの?」

「はあ?んなもん、言わなくたっていいじゃねぇか」

「いやいや、気になるからさ。だってお前、ヤベェじゃん?」

「んだよその、犯罪犯した奴みてぇな言い方」

「危なく犯すとこだったかもよ?」

「なめんなよ」

おお、いいツッコミ。

「はいはい。どーゆーフり方?」

「まんまウザイって。好きな奴いっから、とか、それに、俺の本性知ったら、引くかもよ?とか」

「へぇ……」

「興味ねぇじゃん!」

「まあまあ……」