ーーガラッ

晴斗が教室のドアを開けた。

第一声はーー

「おー!晴斗ー!おっ?入学早々、夫婦で登校かぁ?」

「なっ!!」

「……!」

「ちげーよ!夫婦じゃねー!!」

「ハッハッハッ!そうかそうか!」

この人は、中学校で同じだった、新井幸(アライコウ)くんだ。

ーーザワザワ

「……っ!」

後ろで、陰口が聞こえてきた。

ーーなにあの子。めっちゃイケメンくんのそばにいるんだけど。

ーーなにしてんだよ。

ーー離れろって感じ。

いたたまれなくなり、晴斗に気づかれないように、離れ、席に着いた。

晴斗は少しあとに、席に着いた。

「なあ美緒~……弁当忘れた~」

「……!?」

はあ?

なに言ってるの、この人は?

「はっ?」

「少し分けてくれよ~」

「……」

つい、無視してしまった。

するとーー

「分けてください!」

仕方ない……

「仕方ないな~……少しだけよ……」

「さっすが美緒!おばさんに似て、優しいなぁ!」

もう!晴斗はぁ!

恥ずかしいよぉ……

《美緒STORY END》