砂糖より甘くコーヒーより苦く

「……っ!」

いきなり、あたしを抱きしめた。

「はっ、晴斗?」

あたしの耳元で、なにか囁いた。

「……っ!」

ーー俺が本気で護るのは、お前、美緒だけだよ。

「しっかり捕まってろよ!!」

そう言って、自転車は走り出した。