砂糖より甘くコーヒーより苦く

《美緒STORY》

胡桃ちゃんと幸くんが帰り、あたしと晴斗の2人きりになった。

あたしも、“幸くん”と呼ぶようになった。

「美緒……」

ーーギュッ

「……っ!晴斗……?」

晴斗は、あたしの背中に抱きついた。そして、

「ごめん……」

と、静かに謝った。

「なんで、謝るの?」

「泣きたい……」

「……!……いいよ、泣いて……」

「……!くふっ……」

初めて泣きたいと言った晴斗。いいよと言うと、泣きだした。

「あたしも……泣いていい……?」

「ん」

もう、無理……涙が……溢れてくるよ……