砂糖より甘くコーヒーより苦く

あたしはパパに電話をして、出入口で待っていた。

「美緒っ」

「……」

「じゃあ、行くか」

ーーコクッ

車は走り出した。

あたしはずっと下を向いていた。

溢れそうな涙を、手で拭っていた。

「美緒、着いたよ」

「……っ!」

窓の外を見るとそこは、家ではなく、海だった。

「おいで」

ーータッタッ

パパについてくと、一番綺麗な場所に着いた。