砂糖より甘くコーヒーより苦く

ドアを叩く音が聞こえた。

「はい」

ーーガララ

「美緒ちゃんっ……来てたんだ」

入ってきたのは、おじ様だった。

「おはよう、おじ様」

「おはよう。晴斗、手術する日が決まったぞ。今週の金曜日の10時からだ」

「金曜日……」

学校にいる時間だ……

「いいな……?」

「ああ……」

晴斗は、小さな声で受け答えをしていた。

それも、微かに震えた声で。