砂糖より甘くコーヒーより苦く

ーートスッ

「大丈夫……?」

晴斗の顔色が、少し悪い。

「ああ、大丈夫……なのかな……」

ハハッと笑う晴斗。笑えないよ、晴斗……

「美緒、来て」

「え……?」

「いいから」

「うん」

あたしはそばに近づくと、晴斗はベッドにあたしを座らせた。

「どうしたの?」

「美緒に、触れたいだけ……」

「……っ!」

いつもより小さな声。あたしに触れる手は、色白くなっていて、微かに震えていた。

「怖、いの……?」

「……っ!」

あたしを見つめる目は、大きく見開かれた。

「怖くなんか、ねぇよ……大丈夫……」

ーーチュッ

そう言って、唇にキスをした。

でも晴斗は、体全体、震えていた。

唇を離したけど、少しだけ、息切れしている。

「ハア……ハア……」

こんな晴斗、見たくないよ……元気な晴斗が見たいよ……

ーーコンコン