砂糖より甘くコーヒーより苦く

美緒の小さな体が、ますます小さく見える。
軽い体が、ますます軽く感じる。

「晴斗……」

「……!」

小さく呟いたのと同時に、一筋の涙を流した。

美緒……

ーーササッ

ベッドに寝かせると、美緒の左手の薬指が光った。

見てみるとーー

「……っ!」

晴斗くんから誕生日プレゼントで貰ったと言っていた、蝶とハートのデザインで、蝶とハートの間には、ピンク色の宝石が付いた、指輪だった。

わたしは思わず、鼻と口を手で覆っていた。

ーーポタッ

わたしの目から、涙が零れ落ちた。

美緒、そんなに大好きなのねっ……