砂糖より甘くコーヒーより苦く

《美緒STORY》

「うっ、うっ……」

「落ち着いたか?」

「うん……」

「晴斗がガンだって、本当なのか?」

信じられないよっ……嘘だって、言ってよっ……お兄ちゃん、嘘でしたって言ってよっ……夢だったら、夢から覚めてよっ……

「美緒……」

ーーギュッ

お兄ちゃんは、あたしの腕を掴んだ。

「……!」

「美緒、これは現実なんだよ。信じないとーー」

「でもっ!」

「……!」

「辛いよ!!しんじたくないよ!!信じるなんてーー」

あたしには無理なんだよっ……

「美緒!!」

「……っ!」

「信じたくねぇ気持ちは、お兄ちゃんだって分かる!でもな!信じないと、ダメなんだよ!お兄ちゃんだって、本当は信じたくねぇよ……」

「お兄ちゃんっ」

ーーギュッ