「・・・あとは自分で帰れるから、宮子は戻りな」

 オヤスミ。そう言って遊佐はいつもと変わらない笑顔で。ゆっくり車椅子を動かして行った。
 少しずつ離れてく背中をあたしは追いかけられなかった。・・・追いかけたかった、縋りつきたかった。でも出来なかった。躰が鉛になったみたいに動かなかった。

 ココロだけ、血だらけになって泣き叫んでた。
 
 


 力無くその場に崩れ落ちて座り込んだまま。榊が探しに来るまであたしは、目から涙を流し続ける人形のように。壊れて、地面に落ちてた。