あたしが腕を解く間際に、遊佐は頭の後ろを掴まえてキスを繋げた。
 やんわり啄ばんでは離れるスローなワルツ。アイシテルって。ちゃんと伝わってくるのに。

 本心には鎧を纏わせて触れさせてくれない。アンバランスなキスが切なくて、・・・棘が刺さったみたいに痛かった。






 あたしと遊佐はあれからも。
 週末に逢って、変わらない二人の時間を過ごしてる。
 
 嵐の前の静けさのような。なだらかな時間だと知らないで。