「・・・・・・往生際悪くて呆れられるかな、遊佐に」

 クスリと笑うと。

『宮子が結婚式で遊佐クンさらうってどう? 榊クンに協力させて』

 大真面目に返って来た。
 それもアリか。あたしも大真面目に。

「・・・ありがと紗江。素手で戦車に向かってく気分だけど、勇気出た」

『犬死は許さないからね』

「極道の娘をナメないでよ」

 そんな冗談が言えるぐらい、気持ちに余裕もできてた。 
 
『あたしは、宮子と遊佐クンの結婚式の招待状しか受け取らないよ?』

 最後に紗江はそう言って、あたしの背中を思いっ切り叩いてくれたのだった。