明日の土曜日から次の水曜まで、会社はお盆休みに入る。
 正直、無駄に長いよりマシだった。独りでいる時間が多いほど、近付く結婚式にじわじわと絞殺されてく気分になりそうだったから。

 あたしは仕事帰りにそのまま、ずっと顔を出せなかった亞莉栖に車を向けた。
 あんなに応援してもらったのに頑張れなくて。不甲斐ない自分が情けなかったのと、どんな言葉をかけてもらっても、きっと大泣きして迷惑かけるって思ってた。

「あらチヨちゃん、いらっしゃい」

 ぜんぶ知ってるハズなのに、まるで変わらない笑顔で迎えてくれたユキちゃん。悪戯っぽく片目を瞑って。

「ずっと来てくれないから浮気されたかと思ったわ」

「・・・・・・結婚のコトでキャパオーバーしちゃってさ。ちょっと色々・・・。でもユキちゃんにはちゃんと会っておこうって思って」

「なぁに、今生の別れみたいな言い方!」

 いつものカウンター席に腰かけたあたしに大袈裟に呆れた。