「ーーーちゃん!ゆずきちゃん!」

ハッと我に返り、後ろを振り返る。

「蓉子さん」


初出社から2週間が経った。

雑務といえども、覚えることは山のようにある。

気を張りすぎていたのかもしれない。

少し疲れが出たのかも。

ふと、半年前のことを思い出してしまい、頼まれていたコピーが終わったことにも気づかず、ぼーっとしてしまっていたらしい。

そんな私の顔を見て、蓉子さんは綺麗な顔を歪めた。