振り返ると、真剣な表情をした彼と目が合った。 さっきから心臓の音が煩い。 なんで!? どうして!? 「あ、あの…、は、離してください…」 「離さない」 きっぱり断言されてしまった。 「えーっと…」 「これ以上逃げられるわけにはいかないから離さない」 逃げますとも! それはもう、全力で逃げ出しますとも! 「斎藤部長、健闘を祈るよ」 「ゆずきちゃん、お疲れ様~」 ちょっと待って! この状況で私を置いていかないで! 目で訴えても素知らぬフリを通され、蓉子さんと専務は行ってしまった。