「全く、いい歳した大人がすることじゃないでしょ」

蓉子さんは専務相手に容赦なくぴしゃりと言い放った。

「それにしても彼女は優秀だよ。蓉子だってわかってるだろ?」

「そりゃあ、私の大事な部下だもの」

えーっと、もしかしてこの二人って…。

「ゆずきちゃん、びっくりした?これ、私の旦那様」

蓉子さんは専務をこれ呼ばわりして、ゲラゲラと笑っている。

美人はゲラゲラと笑っても、やはり美人だ。

「蓉子さんにはいつもお世話になっております。まだ右も左もわからない未熟者ですが、よろしくお願いいたします」