「どうしたんだよ、ナツミ」


健が怪訝そうな顔をうかべてそう聞いて来た。


「包帯とかは自分で持って来てるの。だから大丈夫」


なにかあった時のためにと、一応準備をしておいたのだ。


「そうか。鞄の中か?」


「うん」


「それなら教室へ戻ろう」


「うん。でもちょっと待ってね。今痛いから」


あたしがそう言い終わるかどうか。


健の両手があたしの体に伸びていた。