そうなれば、あたしのジンクスはここで終わってしまう。


「そのトマトも美味しいんだよ」


あたしは話題を変えるためにそう言った。


「ん? 本当だ。普通のより赤くて美味しそうだな」


それはあたしの血がついているからだよ。


健の事を好きだと思っているあたしの血が……。


健はトマトを箸でつまんで口へと運ぶ。


「なんか、普通とちょっと味が違うな」


トマトを粗食しながらそう言う健。