「うん! 今日のから揚げも最高だな」


「ありがとう健」


「でも、その指どうした?」


不意にそう言われて、あたしは自分の指に視線を落とした。


そこには絆創膏を貼った人差し指がある。


「ちょっと怪我しただけだよ」


「もしかして、料理中に?」


そう聞かれて、あたしは慌てて「違うよ」と、返事をした。


料理中に怪我をしたと言えば、健はきっともうお弁当を持ってこなくていいと言い始めるだろう。