ジンクス

健はサッカー部のエースだ。


同級生や後輩の中にもファンが多い事は知っていた。


「ラブレター……?」


「あぁ。たぶん、そんな感じ?」


そう言う健はさっきの手紙の事なんて気にしていない様子だ。


「健ってさ……誰かと付き合ったりとかは……?」


自分の靴を履き替えながらあたしはそう聞いた。


「ないない。サッカーは今年最後だし、そんな暇もないしなぁ」


そう言って苦笑いをする健。


その返事に安堵したものの、それじゃああたしの気持ちはどこへ向ければいいの?


という疑問が湧いてきてしまった。