健は舌を絡ませながら、あたしの耳を切り落とした。


ボトリと床に落ちる耳をつまみあげ、そのまま口に入れる健。


「料理しなくていい?」


「このままでも十分おいしい」


その言葉に、涙が滲んだ。


料理はあたしの得意分野だ。


けれど、それすら不必要。


あたしはあたしの体だけあればいいのだ。