ジンクス

健はあたしのことが好き。


「どのくらい、好き?」


「全部……全部食べてしまいたいくらい、好き」


健はそう返事をして、あたしの体に舌を這わせた。


食欲をそそられるのか健のお腹がグーと鳴っている。


「いいよ、食べて」


あたしはそう言い、健にカッターナイフを手渡した。


「本当に食べていいのか?」


「うん。健はずっと、あたしを食べてたんだよ」


そう言うと、健は目を丸くして、それからほほ笑んだ。