ジンクス

ペロリと舌先で傷口を舐める。


痛み止めが効いているせいで、残念ながら何も感じなかった。


「おいしい」


血で真っ赤に染まった舌を見せて健が言った。


「よかった」


あたしはそう言ってほほ笑んだ。


「ねぇ健。健はあたしのことが好き?」


「もちろん、大好きだよ」


健の言葉が胸に広がって行く。