お父さんのお弁当箱に頑張って作ってきたけれど、確かにその量はとても多い。


「なになに? 健ってばナツミ鞄を持ってあげたの?」


すかさず杏がそう聞いている。


「ん? あぁ。今日の鞄はやけに重たそうだったからな」


「このお弁当が原因だったんだねぇ」


花梨がそう言い、あたしへ視線を向けた。


あたしはおどおどしながら健を見る。


入学した当初からずっと好きだった。


友達のままでも十分幸せだと思っていた。