空き教室のドアを開けて2人を先に中へと入れた。


きっちりとドアを閉めてお弁当箱を教卓の上に置いた。


「お弁当……それ、健と一緒に食べる分じゃないの?」


「そうだったんだけどね……」


あたしはさっきの光景を思い出してキュッと唇を結んだ。


「健となにかあった?」


杏が心配そうにそう聞いてくる。


「2人とも、これ味見してみてくれない?」


そう言って、あたしは箸を差し出した。