「これ、何の肉? 鳥とか豚じゃなさそうだよな」


「うん。牛肉だよ」


あたしは自分でも驚くくらいスラッと嘘をついていた。


本当のことなんて絶対に言えないけれど、ここまで簡単に嘘がつけるとは思っていなかった。


「そうなんだ? それにしても、高そうな肉だよな」


「そんなことないって」


あたしは苦笑いを浮かべてそう返事をした。


肉の費用はゼロ円だ。