咄嗟についてしまった嘘。


けれど、今のあたしなら嘘を本当にすることができると思っていた。


昼休み、あたしは健と一緒に中庭へ来ていた。


今日は少し気温が低いせいか、他のカップルたちの姿は見えない。


完全に貸し切り状態だ。


「随分体調が良さそうだな」


「健が保健室に連れて行ってくれたからだよ」


あたしはそう言って、お弁当を健へ手渡した。