チャイムが鳴るまでのたった数分が、とても幸せな時間へと変わっていた。


自分の気持ちがこんなにも簡単に健に届くなんて思っていなかった。


健の恋愛対象が女性ではないと知った時に、完全に諦めていたはずだったのに。


「しっかり眠れよ」


健はそう言って保健室を後にした。