特殊なスマホは音と美世にも手渡された。


2人の様子を見ていると、どんなことを記録されたのかなんとなく理解できた。


それからあたしたちが連れて来られたのは、とても広い洋間だった。


大きなテーブルに天使の石膏像。


窓も大きくてアンティークな雰囲気が漂っている。


ずっと6畳の部屋に閉じ込められていたあたしは、唖然としてその部屋を見回した。


ここは一体どこなんだろう?


窓の外の景色は木ばかりで、どこにいるのかわからない。


「音なら、こういう部屋に馴れてるでしょ」


美世が音へ向けてそう言った。