「音……美世?」


音の奥にいるのは美世に見える。


けれどその髪の毛はバラバラに切られている。


可愛い美世の姿はどこにもなくて、胸が痛んだ。


音も、制服がボロボロに引き裂かれている。


みんなここで何かをされたんだ。


「スミレ!」


音が這って近づいてくるので、あたしもようやく部屋を出た。