「最低」


思わずそんな声が漏れた。


美世は学校内のアイドル的な存在だった。


音は美世の事をうとましく感じていたようだけれど、あたしはそうでもなかった。


一応音に合わせて悪口を言う事はあったけれど、どうして音が美世を嫌うのか理解できなかった時もある。


「3人の中で一番真面なのはお前だけだった」


覆面男が機械音でそう言った。


「あなたはあたしたちを知ってるの?」


そう聞くと、男は何も言わずに部屋を出て行ってしまったのだった。