「なんで冬夜とスミレが一緒に歩いてるの?」


思わずそう呟いていた。


冬夜と美世が別れたなんて聞いたことがなかった。


両親の承諾を得て一緒に暮らし始めたんだと、美世から連絡を貰ったのが最後だ。


「こいつらは最低だ」


初めて覆面男がそう言った。


驚いてあたしは画面から顔を上げる。


どこかにボイスレコーダーが仕込まれているようで、機械的な声だ。


「この女は淫乱だ」


男が言う。