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泣き疲れていつの間にか眠ってしまっていた。


こんな状況でも眠れてしまうなんて、なんだか自分が不思議だった。


しかし手足は拘束されたままなので体のあちこちが痛んだ。


窓がないから時刻もわからない。


そう思っていると、覆面の男が食べ物を運んできた。


「お願い! あの写真を消して!」


あたしは咄嗟にそう叫んでいた。


可愛くない自分の写真が出回ることが、今一番の恐怖だった。


「お願い! あんな写真見られたらもう学校に戻れない!」


冬夜との関係も終わってしまうかもしれない。


そう考えると死んでしまった方がマシに感じられてくる。