あたしはこんな目に遭わされていい人間じゃないはずだ。


その時だった。


ドアが開き、覆面の男が食べ物を持って入って来た。


あたしは覆面の男を睨み付ける。


「お金じゃないならなにが欲しいの!?」


そう聞くが、覆面の男はテーブルの上に食べ物を置くとそのまま出て行ってしまった。


「返事くらいしろよ!」


怒鳴り声をあげ、足でテーブルを蹴り上げる。


それは壁へと激突してパンと牛乳が散らばっただけだった。


あたしは肩で呼吸を繰り返してドアを睨み付けた。


くそ!


なんでこんなことになったんだろう。