それでも、反応を返さずにはいられなかった。


あたしは横になり、両足を上げて壁にぶつけた。


ドンッと鈍い音が響く。


声が届かなくても壁を伝った音なら相手に聞こえているのかもしれない。


相手からの反応はないけれど、あたしはもう1度同じようにして音を立てた。


すると……ドンッと、確かに壁の向こうから聞こえて来たのだ。


あたしはハッとして上半身を起こした。


やっぱり誰かがいるんだ!


犯人だとすればわざわざ壁を叩いて返事なんてしない。


きっと、犯人以外の誰かがいるんだ!