疲れから少しウトウトすることはあっても、ちゃんと眠ることはできなかった。


さっきから胸の動悸も治まらない。


今度はいつ、なにをされるかわからないというのが、一番怖かった。


体を丸めてひたすら時間の経過を感じていることしかできない。


頭に過るのは最悪の事態ばかりだった。


いっその事気絶できれば楽になれるのに。


そう思った時、再びドアが開いた。


白い光に目を細めてドアの向こうに立つ覆面の男を見る。


男の手には食パンと牛乳が用意されていた。


ここにきてから何時間経過したのかわからないけれど、2度目の食事だった。