すぐに解放されるハズだった。


なのに……どうして?


男はポケットから万札を数枚取り出して、テープであたしの胸と下腹部に貼りつけた。


なにをされるんだろう。


そう思うと恐怖で震えが止まらなかった。


お金じゃないんだ。


お金は関係ないんだ。


それならあたしはどうすればいいの?


どうやってここから出ればいいの?


わからない……!


「うっ……」


自然と涙があふれ出していた。


男がスマホを取り出して何枚も写真を撮影している。


「もう……やめて……」


そう言っても、部屋の中のシャッター音は鳴りやまなかったのだった。