数時間後、あたしたちは体育館裏に移動して来ていた。


影に隠れて千恵美が現れるのを待つ。


『今日って結構寒いね』


音が白い息を吐いてそう言った。


『夜から雪が降るって言ってたからね。あ、来たよ』


美世がそう言いニヤリと笑う。


千恵美がラブレターを片手に持ち、歩いてくるのが見えた。


誰もいない校舎裏に、キョロキョロと周囲を見回している。


『あんな手紙本気にして、バッカみたい』