冬夜がジリジリと近づいて来て、あたしを見おろした。


「まだわからないのかよ。俺がどうして美世とスミレに近づいたのか」


その言葉にすべての謎が解けた。


冬夜は元々この時のためにあたしたちに近づいていたのだ!


「だって……冬夜は千恵美のことなんて――」


「好きだった。ずっとな」


あたしの言葉をかき消してそう言った。


「でも、美世の嘘を信じたじゃん!」


「あんなくだらない嘘、本当に信じたと思うか?」


冬夜の冷たい声に背筋が冷たくなった。