知らせなきゃいけないと思い、何度も何度も壁を叩く。


さっき1度だけドンッと返事が来たけれど、それ以降返事はなかった。


眠ってしまったのかもしれない。


あたしは諦めて横になった。


美世が顔を削られるという悲惨な場面を見てしまったけれど、あたしの心は自信に満ちていた。


相手が千恵美ならあたしたちに勝ち目があるということだ。


あたしたち3人は、千恵美の弱味を握っているからだ。


「千恵美なんかに好きにはさせない」


あたしはそう呟いたのだった。