「そんなの……嫌……」


お金がすべてなんかじゃなかった。


お金が助けてくれるわけじゃなかった。


あたしは……。


なにを信じて生きて来たの?


ジッと白い壁を見つめる。


この向こうにスミレがいるはずだ。


「ごめんねスミレ……」


自分の声がひどく震えていた。


なんで震えているんだろう?


今日はもう終わったのに、なにを怖がっているんだろう?