ダメだ。


絶対に飲んじゃダメ。


犯人が用意したものなんて口にするべきじゃない。


強くそう思う事で、どうにか飲みたいという欲求を押し込めた。


それから数分が経過した時、再びドアが開いた。


ハッとして顔をあげるとさっきの覆面男が立っている。


「あたしをどうするつもり!?」


咄嗟にそう言っていた。


男は覆面の穴からチラリとこちらへ視線を向けた。


顔は見えないハズなのにその視線は刺すように鋭くて、たじろいてしまった。


男は何も答えずに残ったままのパンと牛乳を持って部屋を出ようとした。


「待ってよ! あたしの体が目的なの!? この変態野郎が!」