監禁少女

「で、これをあたしたちに見せてどうするつもり?」


あたしたちの後ろに立っている覆面男へ向けて、あたしはそう言った。


男はなにも返事をしない。


モニター越しにだと多弁なくせに、直接には相手にしてくれないようだ。


あたしは視線をモニターへ戻した。


いつの間にかモニター内には覆面男の姿が写っている。


「今の動画は世界中に配信されました」


機械的な声がそう告げた。


「まじで……」


音が小さな声でそう呟いた。


モニターの中には美世の姿が映し出される。


ウィッグを付けているから、今の美世の世数が写っているのだとすぐにわかった。