休日なのか放課後なのか、校舎内に人の影はない。


カメラはどんどん進んで行き、3年B組の前で止まった。


「このクラス、あたしたちがいたクラスだ」


あたしはそう言った。


あたしも音も美世も、このクラスだった。


カメラはドアの前で一旦止まり、中の様子を確認しているようだった。


少しドアが開きそこから中の様子が映し出された。


その瞬間、あたしはハッと息を飲んでいた。


教室内にいるのは美世と冬夜の2人だ。


「2人とも、この頃から付き合ってたっけ?」


音の質問にあたしは左右に首を振った。


「ううん。たしかこの時ってさ……」


そこまで言った時、画面上の2人の会話が聞こえて来た。