美世は唸り声をあげて顔をしかめた。


「あ~あ、本当に変な顔になっちゃった」


あたしはそう言い、ナイフを戻した。


鮮明な血がナイフにこびり付いている。


音が美世のスカートのポケットからスマホを取り出した。


美世はなにも言わず、ただ震えている。


音に近づき、美世のスマホを確認してみると、バリカンで髪の毛を切られて行く美世の姿が写っていた。


必死に抵抗している姿が痛々しい。


「奪ったよ」


音が美世の体から立ち上がり、モニターへ向けてそう言った。