監禁少女

ここに法律はないと言っていた。


このまま美世のことを殺しても、罰せられる事はないのだ。


中学時代の美世の態度を思い出すと、だんだんと胸の奥から怒りが湧いてくる。


「殺してやろうか?」


あたしは美世の耳元でそう囁いた。


頬に当てたナイフにグッと力を込めると、一筋の血が流れ出て来た。


「やめて……!」


美世がか細い声で叫ぶ。


体はガタガタと震えていて目には涙が浮かんでいる。


「美世が助けてって言ってるのに、誰も来ないね」


音が楽し気に笑いながらそう言った。