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そうと決まれば実行するのは早い方がいい。


これ以上遼太郎のあの嫌らしい笑顔を見るなんてごめんだった。


あたしたち3人は立ち上がり、遼太郎の机へと近づいた。


なんでもない会話をしながら、2人が遼太郎の鞄の前に立つ。


あたしは横から手を伸ばし、遼太郎の水筒の蓋を開けた。


緊張で手が震えている。


犬に飲ませるのとはわけが違うのだ。


スカートから小瓶と取り出し、ピンク色の液体を一滴水筒の中へと入れた。


ホッとした時、教室のドアが開く音が聞こえてきてふりむいた。


見るとトイレから戻って来た遼太郎が立っている。


あたしは慌てて蓋を元に戻し、3人でなんでもないフリをしながら机へと戻ったのだった。